「めちゃくちゃ太くておっきい……これ、口に入るかなあ?」

「全部入らなくてもいいから。ほら、あーんして」

甘い声で先生が誘う。
よし、女は度胸。
今年の恵方である南南東を向き、膝立ちになった私は思いきって五条先生の太巻にかぶりついた。

見た時からわかっていたけれど、やっぱり太い。それに、えげつないほど大きい。
えづきそうになるのを我慢して、少しずつ食べ進んでいく。
うえ……なんか苦いの出てきた……。

「そうそう。いい子だね。上手だよ」

五条先生が優しく頭を撫でてくれる。
嬉しくなって、涙目のまま上目遣いで見上げると、先生は熱い息を吐き出した。

「えっろ……それ堪んない。お前、そんなのどこで覚えたの?」

何か言い返してやりたかったが、いまは喋れない。恵方巻きを食べている最中は無言でなければならないって先生も知ってるはずなのに。

「いいよ……もっと奥まで咥えて」

「っ!!」

五条先生が、ぐっと私の頭を押さえて太巻を奥まで突っ込んでくる。
そのまま、出したり入れたりし始めた。
私は必死に食らいつくので精一杯だ。
ぽろ、と瞳から流れ落ちた涙を、五条先生の長い指が拭う。

「ん、頑張れ、もう少しだから」

んぐ、んぐ、と口を動かして太巻を食べ終えると、五条先生は細く長く熱い息を吐き出した。

「はあ……よかった……ヤバいね、これ。マジでイクかと思った」

「え?」

「いや、こっちの話。良く全部食べられたね。えらいえらい」

五条先生によしよしと頭を撫でられていると、バン!とドアが開いて野薔薇ちゃん達が駆け込んできた。

「おっと、セコムの登場か。残念でしたーもう食べさせちゃったもんねー!」

「この淫行教師!」

「玉犬、食っていいぞ」

「先生、それはさすがにまずいって」

「いやあ、いい予行演習になったよ。本番が楽しみだ」

無限で皆の攻撃を無効にして笑いながら、先生は何故だか熱い眼差しを私に注いでいた。
──本番?


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