これから、赤屍さんと一緒に私の実家に挨拶に行く。 もちろん運び屋であることは隠して。 医者として紹介する予定だ。 実際に医者なので嘘ではない。 嘘ではないが、色々と突っ込んで聞かれたらと思うと心配でドキドキしてしまう。 親というものは子供の嘘を見抜くのが上手い。 だから私は極力話さず、質問されたら赤屍さんが答えることになっている。 打ち合わせもしたので大丈夫だと思うが、やはり不安だ。 「全て私に任せて下さい」 そう言われて、随分気が楽になった。 赤屍さんの包容力半端ない。 「赤屍さん、大好きです」 「私も愛していますよ」 ハンドルを握る赤屍さんが少し笑った。 「これでもう貴女は私から逃げられませんからね」 「怖い言い方しないで下さいよ…」 クス、と笑った赤屍さんがハンドルを切る。 駐車場に車を入れると、私達は車から降りた。 「緊張しているのですか?」 「少し…」 「大丈夫。何も心配いりませんよ」 赤屍さんが言うならそうなのだろう。 私は赤屍さんの手をきゅっと握ると、二人で手を繋いで玄関まで行き、ドアを開けた。 「ただいまー。赤屍さん連れて来たよ」 |