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ここしばらく毎日のように夢の中でも働いているから、その分のおちんぎんがほしい。
夢の中だと、レジを打ち間違えたり、電話をかけようとして何度もボタンを押し間違えたり、ロッカーが見つからなかったりするけれど、あれは何なんだろう。

せっかくの連休だったのに休んだ気がしない。

というか、寒い。
お仕事行きたくない。
お布団から出たくない。

そんなことを考えながらいつまでも布団の中でぐずぐずしていたら、玄関のドアが開く音が聞こえてきた。

「おはようございます、聖羅さん」

えっと思ったのも束の間、室内に入って来た赤屍さんを見て、ああそうか、合鍵を渡してあったんだと思い出す。

「やはり、思った通りまだお布団の中でしたね」

「うう、だってぇ」

「良いですよ、そのままで。いま朝食の支度をしますから、もう少し暖まっていなさい」

「ふえぇ……赤屍さんふえぇ……」

「よしよし」

私の頭を撫でた赤屍さんは、キッチンに立ち、流しで手を洗ってから手早く朝食の支度を始めた。
ごめんなさい、赤屍さん。
でも、もう少しだけぬくぬくさせて。

私が布団の中でぬくぬくしている間に、赤屍さんはあっという間に朝食を作り終えた。
ああ……もうお布団から出ないと。

「さあ、お顔を拭きましょうね」

いつの間に用意したのか、赤屍さんは、ホットタオルで優しく私の顔を拭いてくれた。
そして、毛布でくるんでテーブルまで運んでくれる。

「はい、あーん」

「あーん」

今朝のご飯もとっても美味しい。
全部食べ終わる頃には美味しい朝食のお陰でちょっと気分が上向いていた。
洗面所に向かい、歯みがきをする。

部屋に戻ると赤屍さんが着替えを手伝ってくれた。
髪をとかし、ドライヤーでセットしてくれる。
この際なので、メイクもお任せしてしまった。

「では、行きましょうか」

車の助手席まで運んで貰い、膝にブランケットを掛けられる。
そのまま車で職場まで連れて行ってくれた。

「はい、お弁当ですよ。お仕事頑張って下さいね」

「赤屍さん大好き」

「私も愛していますよ」

ちゅ、と触れるだけのキスをして車を降りる。
赤屍さんに手を振って職場に向かうと、ちょうど出勤してきた同僚と入口で出くわした。

「おはよう」

「おはよー。見たよ、朝からお熱いことで」

「羨ましい?」

「爆発しろ」

同僚と一緒にロッカールームに着く頃には、朝起きた時の甘ったれた私から、ちゃんとデキル女の顔へと変わっていた。
今日も一日バリバリ働くぞ!


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