きっかけは、監督生さんといつものメンバーによる何気ない会話だった。 監督生さんが元いた世界には、ハンターと呼ばれる鬼から逃走者が逃げきると賞金が貰えるゲームがあったらしい。 「なんだそれ、面白そうだな!」 「でも、ハンター怖いんですよ」 などと話していたら、何処からともなく学園長が現れて、 「面白そうですね!やりましょう!」 と言い出したのだそうだ。 いかにも学園長らしいと思うと同時に、この人ちゃんとお仕事しているのかしらと疑念が湧いて来る。 そういうわけで、ナイトレイブンカレッジの生徒による『逃走中』が行われることになった。 二年生の1/3が鬼となり、残りの二年生と一年生が鬼から逃げるというルールだ。 今回は三年生と四年生は不参加。 学園の敷地内であれば、どこに逃げても良い。 ただし、寮の個人の部屋は除く。 と、まあ、いわゆる大規模な鬼ごっこである。 当然ながら、私達留学生も強制参加だ。 出来れば鬼が良かったのだけれど、逃げる側に回されてしまった。 こうなったら仕方がない。 何としても逃げきって賞金をゲットしよう。 私は 右の廊下に向かった 左の廊下に向かった |