真奈の母は、かつて魔法少女だった。
日曜日の朝、小さな女の子向けに放送されていた実写版の魔法少女ドラマの主役を務めていたのだ。

そのストーリーは、魔法のステッキで変身し、様々な魔法を駆使して悪の組織と戦うという、お子様にもわかりやすいスタンダードな内容だった。

残念ながら肝心の幼女達からの反応はイマイチだったが、いわゆる『大きいお友達』から熱狂的に支持されたため、そこそこ視聴率を稼げていたらしい。
玩具会社との提携で発売された魔法のステッキなどのグッズも、彼らが積極的に買い求めてくれたお陰でそれなりの売上を叩き出したそうだ。

引退した今でも、ファンだったという中年男性からファンレターやプレゼントが届くと言うから、ある意味アイドルだったのは間違いない。

そして、その娘である真奈もまたスターを目指すアイドルの卵だった。




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