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大男に続いて湿った石段を登った先には大きな樫の扉があり、彼が三回ノックをすると、それがパッと開いて、鮮やかな緑色のローブを着た背の高い魔女がエリー達を迎えた。
見るからに厳しそうな顔つきをしている彼女とは初対面ではなかったが、他の子供達はいっそう緊張した面持ちで彼女を見上げた。

「マクゴナガル教授、イッチ年生を連れて来ました」

「ご苦労様でしたハグリッド。ここからは私が案内します」

ハグリッドと呼ばれた大男が去り、マクゴナガルが生徒達を城内へと招き入れた。
広大な玄関ホールへと足を踏み入れた生徒達は、興奮を隠しきれない様子で辺りを見回している。

「こちらへ。私についてきて下さい」

マクゴナガルが言った。

「慌てず急ぎなさい。走らないように」

「無茶苦茶言うよな」

背の高い痩せっぽちの赤毛の少年が隣の少年に耳打ちした。
すかさずマクゴナガルの眼鏡がギラリと光る。

「ロナルド・ウィーズリー。確かに貴方には少々無理な注文だったかもしれませんね。貴方の双子の兄達ときたら、数分に一回は規則を破らずにはいられないのですから。私としては、貴方が彼らではなく上の三人の兄達のほうに似ていることを願うばかりです」

ウィーズリー少年はたちまち真っ赤になった。
ドラコがニヤニヤしながらそれを見ている。
ホールを横切って小部屋に入ったマクゴナガルは、小さな子供達の顔を見渡しながら、「入学おめでとう、皆さん」と言った。

「間もなく新入生の歓迎会が始まります。この先の大広間に行く前に、私からいくつか説明させて頂く事があります。大事な事ばかりですから、よくお聞きなさい」

そう前置きしてから、マクゴナガルは組分けの儀式について、そして、これからのホグワーツでの生活について知っておかねばならない事柄について説明した。
四つの寮のこと。
談話室のことや、得点・減点のことなどだ。
寮杯について説明した時には、マクゴナガルの言葉に熱がこもったように感じられた。
誰もが真剣に聞きいっていた。
その事に満足したのか、マクゴナガルは微かに頬をゆるめ、先ほどよりは優しい口調で、呼びに来るまでここで待っているように言って部屋を出て行った。

「どうやって寮を決めるんだろう?」

「さあ…でも、何か試験みたいなものをやるんだって聞いたよ」

聞こえてきた囁き声にエリーはリドルを見上げた。
父からは試験があるなんて聞いていない。
リドルは冷ややかな目で少年達をチラリと見ると、エリーに向かって首を振った。
やはり試験はやらないらしい。

「うわっ!」

突然叫び声があがった。
見ると、半透明のゴースト達が次々と壁の中から現れたところだった。

「やあ、新入生の皆さん。ホグワーツへようこそ」

近くの壁から出てきた襞服のゴーストが恭しく礼をして通り過ぎていく。
大きな混乱になる前に戻ってきたマクゴナガルが、「組分けの儀式が始まります」と言って扉の前に立った。


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