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「そうか。そういえば、なまえはちゃんと会ったことが無かったね。あの人がうちに来る時には、大抵父上に何か大事な用事がある時だったし、僕も邪魔になるからと直ぐに追い払われていたから。でも、僕が生まれた時には、お祝いに駆けつけて来てくれたと聞いているから、良い人だと思うよ」

「うん…」

なまえは何故こんなに不安な気持ちになるのかまだ納得いかない様子だったが、スネイプは既になまえから視線を外してしまっていた。
スネイプは隣りにいるターバンを巻いた男と何か話しつつ、グリフィンドール席のほうを気にしているようだった。
もしかしたらハリー・ポッターのことが気になるのかもしれない。
生徒達も、まだハリーをチラチラ見ていたり、『生き残った男の子』は今までどうしていたんだろうかと話している者もいた。

「ほら、なまえ。食べないと無くなるよ」

なまえはドラコに促されて食事に戻った。



その夜遅く、マルフォイ邸に一羽の梟が手紙を届けにやって来た。
それは、スネイプからルシウスに宛てられた書簡だったのだが、何も知らないなまえは、お腹いっぱいになって満ち足りた体を寮のベッドに潜り込ませ、顔の側で丸くなっている黒猫のぬくもりを感じながら幸せそうにすやすや寝息を立てていた。


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