行為の間は快楽に流されているから深く考える余裕はないが、本当に恥ずかしいのは、こうして後始末をされている時だったりする。 「じっとして…そう、良い子だ……」 ふわふわとソープの泡が飛ぶバスルーム。 浴槽の中で、後ろ向きに抱っこされるようにしてルシウスの逞しい胸に背を預け、丁寧に隅々まで洗われる。 「あっ……く…んッ…」 しなやかで長い指先に自分では届かないような場所まで優しく洗われてしまい、クロリスはたまらずすらりと伸びた腕に縋りついた。 「ん?痛かったかな?すまない。もっと優しくしよう」 そうじゃなくて…と言いたくても、唇を噛み締めていないと甘い声が漏れてしまいそうで抗議も出来ない。 ただ、震えながらルシウスに身を任せるだけだ。 ──先ほどまで、別のシチュエーションでそうしていたように。 「…よし、これでいいだろう」 汚れた湯が渦を巻いて流れていき、上から温かいシャワーが降り注ぐ。 「大丈夫かい? クロリス」 「うん……」 労りの言葉に、ほうっ…と詰めていた息を吐いて頷く。 ぐったりしたクロリスの濡れた髪を掻き上げて、ルシウスは雫のついた額に、上気した頬に、そして喘ぐように開かれた唇に優しいキスを落とした。 「そうか。良かった。では、寝室に戻ってもう一度愛しても大丈夫だね」 ……一瞬、意味を理解するのを脳が拒否した。 え?え?とルシウスを見上げるクロリスに、彼はどこまでも優しく、愛おしげに微笑んだ。 「何度愛しても足りないほど愛しているよ、クロリス。大丈夫、心配はいらない。ちゃんと後始末はしてあげるから」 そして、愛は繰り返す。 |