今日はホグズミード週末。 ほとんどの生徒達がホグズミードに出掛けているなか、なまえは一人談話室に座って本を読んでいた。 「ここにいたのか」 不意に掛けられた声に顔を上げると、石壁に開いた入口からリドルが入ってきたところだった。 手に何か鮮やかな桃色の液体の入った小瓶を持っている。 「丁度いい。この薬を飲んでみろ」 「え?何?」 差し出されたそれを不思議そうに見ていると、リドルは杖を振って紅茶を出した。 液体を垂らして飲むように促され、不審に思いつつも、怪しげな液体入りの紅茶を口にする。 「ねぇ、何の薬なの?」 観察するようにじっと見つめてくる真紅の瞳に何の薬なのかと尋ねると、彼はこともなげに答えた。 「媚薬だ」 ゴフー―――ッッ!! げほげほ咳き込むなまえに構わず、吹き出した分の分量を目ではかって「このくらい飲んでいれば充分か」と呟く。 「処女を扱うのは色々と面倒だからな。強力な媚薬を飲ませておけば多少は無理がきくだろう」 真っ青になり、次いで真っ赤になるなまえ。 「キャーッ!いやー!」 「うるさい、逃げるな。アクシオ、なまえ」 「キャーッ!!いやー!!」 ――肩に担がれて部屋にお持ち帰られながら、なまえはまだ必死にじたばた暴れていた。 |