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悪目立ちしてるなあ、というのは感じていた。
なんと言っても、タイプの違う美形が二人もいるのだ。

なまえの隣を歩くのは、いかにも女性受けしそうな甘いマスクの金髪の美青年、ディーノ。
その二人の斜め後ろから周囲を警戒するようにして歩いているのが、目つきも鋭く、近寄り難い殺気を放つ銀髪の美青年、スクアーロ。
片方だけでも充分一目を惹くのに、目立つなというほうが無理だろう。

「しっかし、暑いな。なまえ、大丈夫か?」

「はい」

今のところ耐えられない程ではない。
建物の中に入ってしまえば一気に涼しくなるので、少しの間の辛抱だ。

「ディーノさんが住んでいる所は夏はどうですか?」

「ん? ああ、イタリアも暑いぜ。南のほうは特にな」

ディーノの視線を受けたスクアーロがなまえに頷いてみせる。

「数値の上ではあんまり変わらないのかもしれねーが、やっぱ慣れてないせいか、こっちの暑さのほうが身体に堪えるよな」

「てめえが貧弱過ぎるんだぁ」

スクアーロがせせら笑った。
確かにこちらはディーノと違い、いたって平気そうに見える。

「スクアーロは暑くないの?」

「暑い。が、それほどでもねぇ。この程度で一々夏バテしてたんじゃ仕事にならねえだろ」

「そっか…」

なまえとスクアーロは揃ってディーノを見た。

視線を受けたキャバッローネのボスが、「おいおい勘弁しろよ」と困ったような苦笑を浮かべたので、なまえは思わず笑ってしまった。

一方その頃。
目的地であるアイスクリーム店では、どう見ても堅気じゃないイタリア人男性と、頭に小鳥を止まらせた学ランの少年がトンファーを手に睨みあいながら三人の到着を待ち構えていた。



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