何となくそんな予感はしていた。 それは超直感かと問われれば、綱吉は即座に否定しただろう。 誰だって見れば分かるというものだ。 腕を伸ばして、リボーンがなまえの口元へとチョコレートを運ぶ。 対するなまえは素直にそれをぱくりと食べ、ついでにリボーンの指についていたチョコレートの粉をピンク色の舌でぺろっと舐めた。 それを見たリボーンの唇が、ふっと笑みを刷く。 (うわあ…なんか、なんか、これって……) 綱吉はそわそわと落ち着かなげに身体を動かした。 ヒットマンの涼しい目が綱吉に流れる。 「なんだ、ツナ」 「…いや…別に…」 何か、物凄くいたたまれない気分だった。 あからさまにイチャつくというのではないが、しかし、間違いなく淫靡なものを含んだ甘い空気を漂わせているのだ、この二人は。 ヤっちゃったのか? そうなのか? そうなんだな!? 勿論、確かめる勇気はなかった。 ドSなこの家庭教師ならば、聞けば嬉々として話してくれるのが目に見えているだけに、自分から地雷を踏みに行くような真似はしたくなかった。 そんな話、誰が聞きたいと思うだろう。 「聞きたいか?」 そんな綱吉の葛藤を知ってか知らずか──いや、間違いなくわかった上で、家庭教師はニッと笑った。 「そうだな…あれは一昨日の夜のことだ。俺が部屋を抜け出したの気づかなかっただろ。あの時俺はなまえの部屋で……」 「や、やめろおおおー!!!」 だが、聞かされた。 リボーンの言い方で言うなら、『ネッチョリ』とだ。 綱吉は暫くなまえと目を合わせられなかった。 |