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※同級生夢主


青い空を漂う雲の下。
雲雀恭弥はいつものように学校の屋上に寝転がり、微睡んでいた。

ちゃんとお日様の当たる暖かい日溜まりを選んでいるあたり、縁側でひなたぼっこしている猫みたいだ。

「あ、いたいた、恭弥」

目を開けて視線だけで「なに?」と問うてくる彼に、手に持ったランチバッグを掲げてみせる。

「お昼!持って来たから一緒に食べよ」

「応接室で待っていればよかったのに」

身体を起こした恭弥は、ふあぁと大きくあくびをした。
その彼の隣に座り、おしぼりを渡す。
恭弥は眠そうな目のまま手を拭き、弁当の包みを開いた。

「へえ。一応美味しそうに見えるよ」

「一応は余計!」

失礼な事を言いながら彼は真っ先に好物のハンバーグに箸を伸ばした。
一口大に切って口に運ぶ所作や、もくもくと咀嚼する様子はどこか品があって、恭弥ってやっぱりお坊っちゃまなんだなぁと思う。

「ああ、そうだ」

「ん?」

「丁度いいから渡しておくよ」

学ランのポケットから取り出して、はいと渡された物。
それは手の平に収まるくらいのサイズの箱だった。
驚くことに綺麗にラッピングがされてリボンが結ばれている。

「えっ」

「誕生日だろ、今日」

「覚えてくれてたの?」

恭弥は目を細めて「なに言ってるの」みたいな顔で私を見た。

「好きな女の誕生日ぐらい覚えてるよ」

「恭弥…!」

思わず抱きついてしまった私を受け止めて、恭弥はしょうがないなといった風に口元を綻ばせた。

「誕生日おめでとう、真奈」

「ありがとう!」

「気に入らなくても知らないよ。女子の好きそうなものなんて僕は知らないから」

「ううん、何だって嬉しいよ!」

早速箱を開けると、中に入っていたのは指輪とネックレスのセットだった。

「これ…予約?」

「そう思いたければ思ってくれて構わないよ」

澄ました顔で答える恭弥にもう一度抱き着いた。

「恭弥、大好き!」

「知ってる」

ハンバーグを食べる彼がほんの少し照れくさそうに見えたのは気のせいかもしれないけど、もうどっちだって良かった。

大切なのは、いま二人でいることと、これからもきっとずっと恭弥と一緒なんだって分かったことだから。

大好きだよ、ともう一度呟けば、唇を重ねられた。

今日は最高の誕生日だ。


 HappyBirthday!


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