シチリアにあるヴァリアーのアジトに拉致されて三日。 とにかく食事が美味しくて、随分たくさん食べてしまった気がする。 帰宅して体重計に乗るのが少し怖い。 「ここにも少しは脂肪がついたか」 がぷっ、と胸に食いつかれ、真奈はきゃあと悲鳴をあげた。 と言っても甘噛みなので痛くはない。 それどころかちょっと気持ちい……いやいやそうじゃなく、と、真奈は頬を染めてザンザスの頭を押しやる。 既に一度ヤルことをヤッてお互いにまだ生まれたままの姿だ。 これはマズイ。 「ザ、ザンザスっ!」 「なんだ、噛むんじゃなく舐めて欲しかったのか?ならそう言え」 「そうじゃなくて…ゃ、あんっ」 言うが早いか、温かい舌でべろりと舐められる。 唾液で濡れた胸の頂が室内に流れる微風を受けてすうすうした。 その精悍な顔立ちを胸に伏せて、オスの目をして情熱的に求められるのも悪くはないけれど。 「もう今日はダメ」 「あんなもんじゃ足りねぇな」 「non fai i capriccio(駄々こねないの)!」 ザンザスは忌々しげに舌打ちした。 「妙な言葉ばかり覚えやがって」 ふふ、と笑って彼の逞しい胸板を枕に、大きな身体に抱きつけば、溜め息と共に腕が回されて抱きしめ返される。 何だかんだ言いながらも甘やかしてくれる彼が大好きだった。 真奈だってザンザスに抱かれるのは嫌いじゃない。 でもたまにはただイチャイチャしたい時だってあるのだ。 特に、発達した大胸筋の胸板枕なんて、めったに味わえる代物ではない。 この日は、甘えて、甘えて、たっぷり専用抱き枕を堪能した。 |