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お雑煮じゃなくておしるこが食べたいと言われたので、キッチンを借りて作ってみた。
ヴァリアーが滞在しているこのホテルのフロアには専用のキッチンがあるのだ。
そこで作ったおしるこを運んで行くと、ザンザスは奥座敷の座布団の上に胡座をかいて座って待っていた。

「来い」

言われるまま歩いていき、ザンザスの前のテーブルの上に鍋と椀と箸を置く。
鍋の中身を椀に移すと、腕を掴まれて引き寄せられた。
胡座をかいた膝の上に横抱きに座らされる。

「食べにくくない?」

顔を見上げて言えば、問題ないとばかりに真奈を抱いたまま、片手で椀を持ち、片手で箸を持って器用に食べ始めた。

「味はどう?」

「悪くねぇ」

「良かった」

しるこを啜って喉を鳴らしたザンザスが真奈に口付ける。
いつもより甘いキスを真奈は目を閉じて受け入れた。

「甘いね」

「そうか」

「美味しい」

今度は舌を絡める深い口付け。
いつの間にか椀と箸を置いたザンザスに後頭部を支えられ、思う存分貪り尽くされる。

「ふ……ぅ…」

着ていた服に手をかけられたところで、ハッと我にかえった。
逞しい胸板に手を突いて密着していた身体を離す。

「ダメ。全部食べてから」

「後でいいだろうが」

「ダメ。全部食べてから」

舌打ちするザンザスに、真奈はちゅっと軽くキスをした。
そうして、空になっていた椀におしるこを注ぎ、ザンザスに手渡す。

「全部食べ終わったらえっちしようね」

「ハッ、今日は積極的じゃねぇか」

「お正月だから特別」

照れくさそうに笑って真奈はザンザスの肩口に顔をすり寄せた。
大きな手の平に頬を包み込まれ、唇を親指でなぞられて、くすぐったそうに身をよじる。
求めているのはお互い様だ。

「姫始めってやつか」

「…どこでそんな言葉覚えたの」


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