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実は、ここへ連れて来て欲しいとお願いしたディーノにその理由を聞かれた時も真奈は同じ事を彼に話していた。

その兄貴分には、「甘いな。お前も、ツナも」と苦笑されてしまったのだが。

甘いと言うよりも、きっとまだガキなのだ、自分は。
その自覚はある。
でも、変に背伸びして物分かりが良いふりをするくらいなら、子供らしく、自分の心で感じたまま相手にぶつかってみるべきだと考えたのである。


ボンゴレリングをめぐる一連の騒動の中で、真奈は周りの人々との絆というものを強く意識するようになった。

あの一見ちゃらんぽらんに見える父親の家光も、今まで家族にマフィアについて何一つ知らせず悟らせずにいることで、門外顧問としての己の身に付きまとう危険から家族を遠ざけていたのだろうと思う。
リボーンを家庭教師に雇ったことについてもそうだ。
事実上の依頼主は9代目だが、きっとそこには家光自身の希望もあったに違いない。
我が子を思う父としての気持ちがあったに違いないのだ。

それらのやり方が正しいものであったかどうか、真奈には分からない。
ただ、重い宿命を背負うこととなってしまった綱吉は、事実が判明した今でも家光に対して複雑な思いを抱いているようだった。

「俺はマフィアのボスだ。キャバッローネ・ファミリーのボスとして、ファミリー全員の命を預かる身としては、そんな甘い考え方は出来ない」

ディーノはそう言い置いた上で、

「でもな、真奈。お前がそんな風に考える事は決して間違ってないと思うぜ」

と言って頭を撫でてくれた。

それで真奈は当たって砕けてもいいから遠慮なく子供の言い分をぶつけにやってきたというわけだ。



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