気が付いたら真っ暗な森の中にいた。 何故森の中だとわかったのかというと、足の裏に触れる落ち葉の積もった地面の感触や、手に触れる生い茂った木々の感触から森の中だと判断したのである。 いつからここにいるのか どうしてここにいるのか わからない とにかくここから出なければと思うのだが、どの方角へ行けばいいのかすらわからない状態だ。 とりあえず手探りで進んでいくしかない。 暫く進んで行くと、急に開けた場所に出た。 水の匂い。 どうやら湖のようだ。 その時、分厚い雲に隠されていた月が姿を現した。 明るい月の光に照らされたそこは、やはり湖だった。 水面に月が映っている。 「えっ…?」 見ていると急に水面が揺れはじめ、おさまったと思うと、そこにはまるでスクリーンになったかの如くある映像が映し出されていた。 |