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「…聖羅さん?」
小さく漏れた笑い声に、赤屍は腕の中の恋人の顔を覗き込んだ。
激しい情事の疲労からぐっすり眠っているはずの聖羅は、何故か楽しそうな微笑みを浮かべている。
きっと楽しい夢でも見ているのだろう。
微笑ましいその様子に、赤屍の唇も微笑を描く。
最近は忙しくて寂しい思いをさせてしまっていたが、この機会に何処かに旅行に行くのも良いかもしれない。
そう──たとえば、南の島とか。
そう考えた赤屍の視線の先には、ベッドに入って愛しあう前に聖羅が熱心に読んでいた南国特集の雑誌が転がっていた。
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