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明け方近くが一番気温が下がったようだ。

まだ眠りの中にありながらも、寒さに震えた身体は無意識の内に隣にいる存在に擦り寄っていた。
自分よりも大きな身体に腕を回して抱きつく。
体温低いせいで最初はひやりと冷たく感じたが、お互いの熱が混ざりあって融け合う内にすぐに気にならなくなった。
その独特の心地よさに流されて目を閉じる。

あたたかい。
気持ちいい。

いつまでだってこうしていられそうなくらい幸せだ。

赤屍さん、と声に出さずに名前を呼べば、クス、と小さく笑う声が耳に届くと同時に背中を撫でられる。
その優しい手付きに眠気が加速していく。

「まだ眠っていて構いませんよ」

返事の代わりに抱きつく力を僅かに強くした。
こうやって甘やかされるからいけないのだとわかっていながらも、再び眠りに落ちていく。
もう彼の体温と匂いと感触しかわからない。

「おやすみなさい。可愛いひと」

優しい優しい声に導かれて夢の中へ。

今日も遅刻ギリギリになりそうだ。

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