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元旦は朝一で赤屍と初詣に出掛けた。
大勢の参拝客で賑わう人気所では無く、恵方にある近所の神社を選んだ。

「今日は少し暖かいですね」

「そうですね。天気が崩れなくて良かったです」

歩いたせいもあるだろうが、身も凍るような寒さを覚悟していただけに、ちょっと得した気分だ。
と言っても、寒かったら寒かったで赤屍にくっつくからそれもまた良しである。

並んで参拝を済ませた後は、おみくじを引こうということになった。

「赤屍さん、どうでした?」

「大吉でしたよ」

Dr.ジャッカルは強運の持ち主でもあるらしい。
と思ったら、聖羅も大吉だった。

「おや、おめでとうございます」

「有難うございます」

元旦から一緒だなんて幸先が良い。
運命すら感じてしまう。と言ったら大げさか。
でも嬉しいのは本当だった。
考えてみれば、神仏などとは無縁の存在と言えそうな赤屍のことだから、彼自身はたいして気にしていないのだろうが、その彼がわざわざ『普通』の人のようにイベントに付き合ってくれるだけでも有難い話である。

「聖羅さん、向こうでおしるこが食べられるようですよ」

「あ、本当だ!食べたいです!」

「では行きましょう」

「はい!」

聞いただけで甘い香りが漂ってきそうなおしるこに期待を寄せながら赤屍の腕に腕を絡める。
そのままエスコートするように歩いてくれる恋人はさすがである。

今年も良い年になりそうだ。


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