ショートケーキにタルトにパイ。
プリンにムースなど、色々調理法はあるけれど、やっぱり新鮮な苺はそのまま食べるのが一番だと思う。

赤屍が依頼の報酬として高級苺を貰って帰って来た。
それをどうやって食べるかと聞かれたのだが。

「はい、あーん」

つまんで差し出されたのは、丸々とした大粒の赤い苺。
一瞬、大きすぎて口に入らないのではないかと思ったほど大きい。
先端には練乳がたっぷりつけられている。

あーんと促されるまま大きく口を開け、苺を食べると、ぷちゅっと歯で潰した拍子に果汁がじわりと口中に広がった。
甘い。
練乳の甘さもあるが、苺そのものも相当糖度が高いのだろう。
口の中に広がる濃厚な甘さがそれを物語っている。

「美味しいですか？」

「はい！」

もぐもぐごっくんと飲み込んで大きく頷けば、満足そうにクスッと笑われた。
赤屍のしなやかな指に唇についた練乳を拭い取られる。

「では、もうひとつどうぞ」

またもや、あーんと差し出された苺を再びぱくり。
やっぱり甘くて美味しい。

指についた果汁を舐め取る赤屍を見て、ごくりと喉が鳴った。

実は、練乳を目にした時から連想していることがある。
それはとってもいやらしいことで、自分は一体どうしてしまったのだろうかと悩んだ程だ。

「練乳余りましたね」

苺をすっかり食べ終えてから赤屍が言った。

「あの…」

「何です？」

「もうひとつ食べたいものがあるんです」

私はえっちな子だ、と聖羅は思った。
でも口にしてしまえばもう止められない。

「赤屍さんの大きいのが食べたいな」

もちろん、甘い甘い練乳をたっぷりかけて。