前から見たかった映画のDVDを観終わった。 エンドロールを眺めながら赤屍が淹れてくれた紅茶を飲む。 蜂蜜が入っていて甘くて美味しい。 ほのかな優しい甘さが疲れた身体に染み透るようだ。 金曜日の夜から赤屍のマンションに泊まりに来て、その夜はたっぷりと甘やかされるようにして抱かれ、土曜日はお陰でほぼ動けずに世話をして貰い、回復した今日は朝からのんびり過ごした。 充実した休日だったと思う。 完全に終わったのを確認して聖羅はティーカップをテーブルに置いた。 うーん…と伸びをして、そのままずるずるとソファから滑り落ち、ふかふかのラグの上に寝そべる。 心は満ち足りているし気持ちがいい。 至福の時間だ。 「おやおや」 行儀の悪さを咎めるでもなく、赤屍はそんな恋人の姿に瞳を細めた。 自らもラグの上に座り直し、優しい手つきで聖羅の髪を撫でる。 「満足しましたか」 「大満足です」 「夕食も食べていくでしょう」 「いいんですか?」 「そのつもりで用意してありますよ」 「私、赤屍さんに甘えてますね」 「甘やかしていますからね」 頭を撫でてくれる手が気持ちいい。 うっとりと目を閉じるとキスをされた。 幸せだ。 「ご飯の支度手伝います」 「のんびりしていて良いのですよ」 「ううん、手伝います」 赤屍の腰に腕を回して抱きつく。 少しでも長く一緒に過ごしたかった。 「今日は甘えん坊さんですねえ」 そういう赤屍は甘やかすのが上手だ。 今まで誰かにこんな風に甘えたことはない。 赤屍が初めてだった。 「赤屍さんだから甘えちゃうんです」 「…困りましたね」 膝の上に抱き上げられて唇にキスを落とされる。 それは甘い毒のようで、たちまち身体中に回って全身を蕩けさせてしまうのだ。 動けない。 ずっとこのままでいたい。 「帰したくなくなりましたよ、聖羅さん」 |