凄かったのが、亀のキャラクターと話が出来るというアトラクションだ。 ちゃんと会話のキャッチボールが出来るのである。 偶然にも亀に質問する人に選ばれた赤屍が 「私の職業は何でしょう?」 と尋ねると、亀はやれやれのポーズを取ってこう答えたのである。 「おいおい、こんなとこで言っちゃっていいのかぁ〜?」 なんということだ。 凄いな、亀! と、聖羅は心の底から感心したのだが、赤屍に言わせると「無難な答え方でしょう」ということらしい。 でもここは夢の国なので、赤屍の正体を知っているエスパーな亀がいてもいいと思うのだ。 また、古代遺跡の中を走るライド型アトラクションの時は、 「以前、依頼でこういう場所に行った事がありますね」 と赤屍が言ったので聖羅は驚いた。 「えっ、日本国内の話ですか!?」 「ええ、日本国内の話ですよ」 日本にも秘境魔境のような場所があるなんて知らなかった。 赤屍の話によると、カリブの海賊みたいな帆船に似た幽霊船もあったという。 ちょっと行ってみたいと思ったが、赤屍が服がボロボロの状態で帰宅したと聞き、諦めた。 ホテルのディナーも美味しかったが、お昼に入ったレストランも素敵だった。 不思議の国のアリスがモチーフらしく、トランプの壁など、アリスの世界の雰囲気が再現されたお店だ。 「このハート型のハンバーグは家でも作れそうですね」 「作りたいです!」 「そうですね、帰ったら試してみましょう」 このリゾート内に幽霊が出る建物は二つあるが、タワーのほうは特に楽しかった。 ストーリーに沿って建物の中を見学し、最後にエレベーターに乗るのだが、これがいわゆるフリーフォールになっているのだ。 ちなみに記念撮影もしてくれる。 写真撮影ポイントを事前に聞いていたにも関わらず、聖羅は思いっきり目を閉じて写ってしまっていた。 「いやああ…変な顔になってる…!」 「可愛いじゃありませんか」 「そういう赤屍さんがめちゃめちゃカメラ真っ直ぐ見据えて薄笑いで写ってるのが怖いです。髪の毛上に舞い上がってるし…」 「クス」 でも結局写真は購入した。 これも記念だ。 |