僕が君を守るから

「グク、あぶないからあっちでまってて?」

「やだよヌナ」


もうこのやりとり何回しただろう。

料理してる私に後ろから抱きついてくるグク。
今日は油使ってるから危ないしどいてって言ってるのに
まったくどいてくれない。
それどころか抱きしめる力はどんどん強くなっていく。


「ちょ、ほんとに危ないってば」

「大丈夫、って熱っ!」


グクの腕に油が飛んだみたいで
抱きしめていた腕を解いて急いで水道水で
その腕を冷やすグク。


「ほら、熱いでしょ?だからソファに座ってて待っててよ」

「嫌」


油が飛んで熱いことがよくわかってるはずなのに
グクは嫌の一点張り。
なんでそんな嫌なのかわかんない、だって熱いのに。


「グク〜、頼むよ」

「だってヌナにも油は飛ぶでしょ?だから後ろから抱きついて
少しでもヌナに油が飛ばないようにしたいの」


今さっきから抱きついてくる理由は
そういうことだったのか。なんなんでしょうこの可愛い生き物は。


「大丈夫、私は慣れてるから」

「嫌、ヌナを守るの」


油から守るって...って思いながらも
内心嬉しいのは事実で口元のにやけが収まらない。


「僕がヌナのことずっと守るから」

「ほんと?ずっと一緒?」


うん、約束っていいながら抱きついてくるグクになら
全部任せてもいいかなって、そう思えた。



ただそばに居てくれればそれでいい


15'0123


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