ゆうじん と むかしのはなし

「××××××」
「×××××!」
 学校の廊下。あこがれのきぼうがみねがくえんで二人の男女が立っている。
 小さい背丈の不二咲千尋が、目の前に立つ貴暮彰人に言った。
「ボクが守るよ」
 貴暮彰人は不二咲千尋の言葉に息を詰め、今言われた言葉が信じられないといった顔をした。
「××××?」
「ボクが、守るよ」
 重ねて言う不二咲千尋の目には決意が込められており、貴暮彰人はその目の真摯さに喜んでいいのか絶望したらいいのか分からない顔をした。何か喋ろうと口を開いては閉じ、何も言えずに口元を手で覆う。
 ××××は×××のになんて馬鹿なんだろうと××××××。
「あのね、貴暮君。苦しかったら言って。ボクは身体が小さくて頼りないかもしれないけど、話を聞いてあげることぐらいならボクだってできるよ。××の代わりにはなれないけど、それでもボク達は友人だから。……友達が困っていたら、助けたいよ」
 貴暮彰人はどうしたらいいのか分からないと困惑していた。私はそれが×××憎らしい××った。貴暮彰人はきっとこう反応す×。「ありがとう」と、どうしたら××××分からな×顔で、それでも喜色を滲ませて言うのだ。
「……ありがとう」
 泣きそうな顔で貴暮彰人はそう言って視線を落とす。不二咲千尋はその顔を覗き込んで、「ボクじゃ、頼りにならないだろうけど」と貴暮彰人の震える手を握った。
 私はそれがとても憎らしかった。


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