「俺が死ぬ時は、きっと呆気ないんだろぉなぁ。」

何の前触れもなしにスクアーロはそうこぼした。
こいつが俺の下に就いてから、というか勝手になついてきやがってから、こいつはこうして面倒なことを度々言うようになった。
それは俺がこいつを女のように扱ったせいもあったのかもしれない。
が、それにしたって面倒なことには変わりない。
わざと大きくため息を吐いて、それから変に静かになっちまってるカス鮫の後頭部に挨拶よろしく、脇に置いてあったワイングラスを投げつけてやった。

「寂しかったならそう言えドカス」

「はぁ!?ちげぇよクソボスがぁ!!何勘違いしてんだっ」

俺が珍しく一日中任務で出ていたからそういう女々しい言葉を吐いたのではない、のなら、なぜ唐突にこいつはそんなことを口にしたのだろう。
その理由を考えることすら俺にはひどく面倒だった。

「ふん、どこでてめぇが死のうと勝手だがな、俺に黙って死にやがったら殺してやる。」

「う゛おぉい……ずいぶんと恐ろしいこと言ってやがるけどよぉ、それは物理的に無理があるぜぇ、ボスさんよぉ」

面食らったような顔をしてスクアーロは答えたが、奴の顔が少しだけ嬉しそうに歪んだのを見て、俺は奴に背を向けたまま口元に弧を浮かべた。










【あの世まで道連れ】



ときどき、死ぬ夢を見るのだと奴は言う。
そこはひたすら暗がりでもちろん俺はその場にいなくて。
それが無性に悲しいのだと、スクアーロは、うつむきながら小さくこぼした。



end.



な、なんと大好きなrion様から管理人のバースデープレゼントとして頂きました!!!!
うわッはあああぁあ!どうしましょう嬉しすぎるんですが、りおちゃんはなんでこんなにも私好みのシリアスをわかっていらっしゃるのか。切ない中にある甘さとかもう…りおちゃんホント好きです。すごく思い出に残る誕生日になりました(涙)。
改めて素敵な文を、本当にありがとうございました!!!!!

宝物にしますねッ。


りおちゃんから




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