暗闇の中、ぽつりと一人で立っていた。

一人というより独り、か。

独りは嫌いだ。

恐い。

誰か、と叫びたくなる。


「 」


自分の名前を呼ぶ声。

大好きな、あの声だ。

彼は自分に向かって笑いかけてくれている。

そうだ、あそこが俺の居場所だ。

彼の方に走り出すが彼は俺の脇をするりと抜けてどこかに行ってしまう。


待って!


おいていかないで!


ひとりに、しないで!









“違うよ、これでいいんだよ。彼のためにもこうするべきなのは、君が一番わかってるくせに”





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