![]() ![]() *** 「へえ、クラウドはニブルヘイム出身なんだ?」 モデオヘイムの雪道に苦戦していたセレネを助けてくれた同伴していた神羅兵、クラウドとまた任務が一緒になった。 先の任務とは接点はなく、人数もタークス一人に神羅兵二人と言うごく少数での任務だ。今はもう1人の神羅兵が宿舎の外で見張り。室内にはクラウドとセレネの二人だった。 「知ってるのか?ニブルヘイム」 「……知らない」 「だよ、ね」 ちょっと期待して目がうずうずしてたのが可愛かったが、セレネの次の言葉にはガクリと肩を落とすクラウド。そんな素直な反応さえ可愛いと思いつつ、セレネは続けた。 「でも、確か魔晄炉あるんじゃなかったっけ?すごいじゃん。」 慌てて弁解したのだが、クラウドはそれを聞いてはあ、と溜め息をついた。 「セレネ、魔晄炉があるところは大抵それ以外何もない、田舎なんだよ……」 「………」 恨めしい目で見られて若干焦るが、次の瞬間にはクラウドは仕方ないな、といった顔でセレネを見ていた。そんな彼の表情にセレネも安心して一緒に微笑んだ。 「クラウド、仕事一段落ついたら、連れてってよ」 「え?」 ベッドに腰掛けていた彼の隣に座って、にこりと笑って見せると彼の頬が少し赤らんだ気がした。 「ニブルヘイム」 そう言って隣にあるほんの少しだけ頼りない肩に頭をこつんと乗せた。瞬間ピクリとクラウドの肩が跳ねたのがわかった。けれど嫌がりはせず、そのまま肩をぽんぽんと抱き寄せられた。 「村にある、給水塔から見る星空が、凄く綺麗なんだ」 小さい頃よく幼なじみとそこで星を眺めていて、遅くなって幼なじみの両親に怒られたんだ。そう語るクラウドの横顔がとても嬉しそうだった。 「ミッドガルは星、見えないもんなあ」 「ニブルヘイムに行けば嫌って程見れるよ」 クスクスお互い顔を見合わせて笑うと、なんだかとても胸の真ん中が温かくなって、くすぐったかった。 「じゃあ、行きたい、クラウド」 「うん、行こう」 今の神羅の状況が少し落ち着いて、休みが取れたら一緒に行こう。山道がキツくても、君が一緒ならきっとまた助けてくれるよね。 「「約束」」 今は見えないから、 代わりに都会のネオンに願うよ。 君といつか、 零れ落ちそうな程の星空が見たいよ。 君が育った、大切な地で。 *fin* |