240511 / short
手探りで併せる呼吸/武蔵厳
その距離感を計り兼ねよ
≫追記
2月に本誌で読み切りが掲載されてすぐに書き始めたものの、オチが浮かばず、半分以上書けた状態で長らく放置してましたが、そろそろ書きたいな……と思い、どうにか形にできました!
その一週間後に819が諸々目白押しだったからね、タイミング的にも仕方ないのだけど。
今回のお話は「ムサシのことを厳ちゃんって呼ぶ幼なじみが見たい」という、わたしの願望から始まったものです。蛭魔さんのことをよーちゃんって呼ぶお話は、他のサイトさんで見掛けたことがあったけど、ムサシのお話って見たことないよな……と思って。
よくよく考えたら、ムサシって割と優良物件じゃない?
初っ端から蛭魔さんをビビっていたわけでもないし、一歩引いて相手のことを見られるし、口数少ないけどその分行動で示すタイプだし、落ち着いているし、ツッコミも的確だし、何より包容力高そう。蛭魔さんに髪型をいじられたときもされるがままだったし(あれはもはや諦めているといわれたらそれまでなんだけど)
鋭いところがあるのとは裏腹に、恋愛ごとにはてんで鈍感なムサシもかわいいんじゃないかと思って、今回のような展開になりました。無論、ムサシも気付いていないものを、蛭魔さんは気付いていますが、興味もないし、放っておいてもそのうちどうにかなんだろと思われているため、放置という名の傍観をします。脅さないんだよなぁ、ムサシと栗田のことだけは…………蛭魔さんの話になってしまった。
読み切りではムサシは出てこなかったけど(いろいろ憶測はあるのも知ってます!気になった方は本編をぜひ!)、あの静かな装いで内に熱いものを秘めている人は、ずるいよなぁと思います。
何かすっごい一途そうなところもずるい。媚びてくる女とか、そういう人にぜんっぜん靡かなそうなところもいい。どこまでいっても硬派なムサシが好きです。そんな硬派には、幼なじみが似合いませんか?似合う、似合うんだよ本当に。
ムサシを書いたら、他のメンバーも書きたくなってきちゃったけど、ひとまずそれは蛭魔さん連載で消化することにします。この短編のタイトルを考えているときに「これこそ“歩幅合わせ”って言葉が似合うのでは……」って悩んじゃったよ。
結局は歩幅の代わりに呼吸という言葉と、合わせるをいろいろ掛け合わせて、今回のようなタイトルになりました。合わせることが苦手なキャラが多い中、女の子に合わせようとしてくれるの、ときめくね。かわいいね。しかも無意識なところがまたいいよね。
というわけで、燻っていたムサシ、無事に書けました!乙女心がまったく分かっていないムサシ、書いていてめちゃくちゃ楽しかったです。
ここまで読んでくださってありがとうございました!