240329 / event
「オレンジ」
純愛は結局きみだけ/木兎光太郎
819の日まで残り4ヶ月と少し
≫追記
調子が良ければ9のつく日に更新します!なんて自分で言ったので、更新しました!来月の19日に音沙汰がなかったらすみません……皺寄せというのは自分で作りがちになるのだ。
劇場版主題歌を聴いているとき、「楽しかったよね すべてが」のところがものすごく優しく、どこか切なく思えて、このフレーズで木兎の話を書こうと思い立ったのがきっかけです。
木兎って言葉のレパートリーが少ない分、言うことはストレートじゃないですか。あれくらいの年齢になってくると、多少なりとも取り繕う部分が出てきてもおかしくないのに、元来の性格も相まって、木兎にその傾向はない。引き出しが少ないのもそうだけど、そもそも伝えるという行為に対して、取り繕う必要性を感じていないんじゃないかなって。
だから、仮に彼女に別れようって言われても、さらっと「俺はナマエといたいよ」って言えちゃうんだろうなと。これは自分で書いたネタメモなんですけど、【“楽しかったよね すべてが”で終わらせたくない。俺はこれからもナマエといたいよ】という一文に、わたしが今回のお話で書きたかったすべてが詰まっている。ここに向けて全力で走りました。
個人的に、木兎はバレーボールを好きというより、愛しているという感覚が近いんじゃないかなと思っていて。バレーボールを愛している木兎が好きだから身を引く彼女、健気すぎて泣けてくるね(自分で書いておいて)
これは書く前から思っていたし、実際に話の中でも書いたんですけど、木兎は彼女がいてもいなくても、バレーボールは続けるし、モチベーションは変わらないと思うんだよね。だって、中学の頃のエピソード(他の部員が練習についてこられなくなったシーンとか)も垣間見たら分かるように、そこまで他人に左右されるタイプでもないから。モチベーションを保つなら、コート上にいる他のメンツが褒めたり、オーディエンスの声援で盛り上げればいいわけだから、彼女というポジションが、木兎にとってメリットに転じることって、そんなにないなということに気付いちゃったんですよね。
でも、やっぱり、恋人だけじゃなくて、例えば家族とか、親友とか、そういう大切な人がいてくれることって、物理的な何かで推し量ったり、言葉で表すには難しいことって、少なからずあると思っていて。
今回の木兎の場合、それが、普段は観戦していても、声援を送ることのない彼女が声を挙げたことだったり、或いはいつも通り、自分を見てくれているだけでも、それが力になっていたよって、敢えて口にすることで、彼女の存在が必要なことを告げた。彼女じゃなきゃ駄目なことだってある、っていうのは木兎に言わせた台詞なんですけど、家族でも親友でも駄目だけど、恋人だから出来ることがある。恋人だから出来ないことももちろんあるんだろうけど、木兎はそういうマイナス面は考えない人だと思う。
だから、今回別れを切り出した彼女の側面には、感覚として気付いたものの、うまく言葉としては伝えられなかったんだろうなーと、書き手ながらに思いました。何か悩んでるとか、何か考えてるとか、そういう漠然としたことは分かっても、それについて言及はしなそうだし。
今回のタイトル、「結局きみだけ」はお題サイトさんから拝借したんですけど、全体的な流れからこれを「純愛」と言わずして何という?と思ったので、くっつけてみました。本当は純愛だけにする予定だったんですけど、見つけてしまったお題サイトさんのタイトルもめちゃくちゃしっくり来ていたので……!
去年の819の日企画(四君子)でリエーフを書いたときも思ったけど、わたし、言葉で伝えるのが苦手なキャラほど賢いレベルにまで引き上げてしゃべらせてしまう癖がある……。でも、今回の木兎は、限りなく木兎に寄せられたんじゃないかと自負してます!
映画、まだまだ盛り上がっていて熱いですね!今後もちまちま書いていきますので、ぜひともよろしくお願いします!ここまで読んでくださってありがとうございました!