さよならを云いたくない (お前にさよならを、いいたくない) 「…どうした」 夜、がっしりと後ろから、まるで子どもの様にしがみつく小平太の腕を掴んで長次は眉をしかめた。 「…なんとか言え」 言わなければ俺にはわからん、となだめるような優しい声で語られる。 (嘘を吐け、わかっているくせに。) 「…小平太、苦しい」 (お前にさよならを、云いたくない) (お前にさよならを、云われたくない) 「…寒い、んだ」 ぽつぽつと、絞るように呟けばまた長次が眉をしかめる。 回した腕の力を緩めることはしなかった。 「寒いんだよ、長次」 「…冬なんだから当たり前だ …じきに暖かくなる」 (違うんだよ、長次) 「…寒いままで、いいんだ」 (暖かくなんてならなくていい) (離れなければいけないなら、 さよならを言わなくてはいけないなら) (私は凍えたままでいいんだ) (ああでも暖かくならなければ、) (お前の好きな朝顔が咲かなくなってしまうのか) (それはとても、嫌だ) だけどどうしたって、 私はさよならを云えない ------------------------ なんか卒業前で切なくなっちゃったっていう…ありがち\(^q^)/ しかし文章力無い 日本語むずかしい |