きみの声をなぞる


遠くの方できみの声がする
(また怒ってる)












み 
の  
を 














焼けていくベイビィを右手の向こうにぼうっと見つめて出せない声を飛ばす。
(参ったなあ、死ぬなんて)
(新入りの能力は、娘は……声が出ない)
周りでは眉間に皺を寄せた人々が蛇のようにちらちらとこちらの様子を伺うように集まってきていたが、
誰かの悲鳴を合図に半径3メートルほどの円を描いて散らばった。
警察を呼ばれるのも時間の問題というところだろう。
このまま見知らぬ誰かにどこかに連れて行かれるくらいだったら自らのスタンドと共にケシズミになるほうがマシだと思った、が、
(電話がまだ 切れてない)
(俺の名前を呼んで)
(もっと怒鳴ってくれよ、聞こえないんだあのね)
(ああもう声が出ない)








<メローネ?>
(うん、ごめんギアッチョやられた)



<…死んだのか>
(違う、俺、これから死ぬの)



<…>
(なんだか変な気分だ)



<…チッ>
(また怒らせたかい)
(俺はきみが怒るの、嫌いじゃなかったなぁ)
(…ごめんなさい、ごめん)
















<悪いな。涙も出ねえ。じゃあな>
(その言葉で充分だ。じゃあそのぶん俺が泣いても可笑しくはないよね、よかった)




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メローネ死ぬ直前
はあメローネすき





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