お願いだからわかりやすく


話についていけないのなんて、いつものことだ。


(馬鹿にしてんのか?)





「終わりがみたかっただけなんだ」
「…はぁ?」

自販機を抱え上げた状態、今まさに投げつけようと言うときにこう呟かれた。
もちろん意味などわかる筈もなく
(つーかわかるやついんのかいねーだろ)

「…知ってるー?どっかのなんとかの海岸で、女性の身体の一部が見つかったんだってー。」

「…知らねえよ」

「恐ろしいことだ、なんて第一発見者のバー…御婦人は語っててね、でも物凄く事細かに話すんだ。
黄土色のようなものがみえてーとか、背骨の関節の部分で丁度折ったように切られていたようだーとか…じろじろ見たのかなぁ、やっぱ物珍しさは恐怖にも勝っちゃうかんじかねー…」

そうやっていつもみたいにベラベラベラベラ喋ってる途中に自販機を投げたら、あっさり避けられてムカついた
…けれどそれ以上投げる気にならなかった
(今日はなんだあいつ、いつにもましてキモい)
(そうだ、笑ってない)

「…ちっ」

「犯人も犯人だよね、何がしたかったんだろう…死体を切って、何を…何を見たかったのかな
…何か、見えたのかなー…」

「はあ…見えたんじゃねーの」
(知らねーけど、)

「わかってないくせに返事してくれるのは嫌いじゃないけど、ぜんっぜん考えようとしないのはちょっと直して欲しいなぁ」

「てめえのお喋りにいちいち反応してられっかよ」

「…もっともっと考えて欲しいんだよ!
シズちゃんなんか四六時中俺のこと考えててそんで胸クソ悪くすればいい」

「…ごめんだ」

そう言ってくるりと振り返って帰ろうとした。
(そういえば仕事の最中だった)
後ろでもう一回なにか呟かれたような気がしたけど、知らない振りをした。





ほんの気まぐれで振り返った時の奴の顔ったらなかった。




(なんで泣きそうなんだよ、クソノミ虫)



---------------------
なんかこーゆーニュースが流れたもんでつい…(ついで済ます
おなかいたいからしょうがない


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -