treasure | ナノ
正直すごく眠い…眠いがこんなところでしかも昼間に野原に寝転がんでちゃ完璧変な奴だと思われる。だが結構限界な俺は誰も居ないのを確認し野原に寝転び鞄を枕に睡眠体制に入った。(……眠たい、眠たすぎる)
「あんたこんなとこで寝てちゃ風邪ひくよ、」
「……!」
眠りにつこうとした矢先頭上から聞こえてきた声に慌てて頭を上げると気だるそうな青い髪の女の子が立っていた。本当見てもわかる程面倒くさがりそうだ。
「いや、あんまりにも眠たくてな…」
「…そんな理由でこんな所に寝てるの?……危な、」
「別に此処らはポケモンばっかだし…」
そう口にしながら目を擦る。やばい寝ちまいそうだ…。うつらうつらとしながらも女の子に何処から来たんだと問おうとした途端女の子は有り得ない言葉を発した。
「ポケモンって何?」
「………は?」
「だからポケモンって何なの?」
本当にジョークとかそんなのじゃなくてこの女の子は本気で聞いているんだとわかる。が、ポケモンを知らないと言うことはこの子箱入り娘かただの世間知らずか?ポカンと開いた口が閉まらない俺から目を離し女の子は野原を見てから口をそっと開いた。「…私、此処知らない」
「此処はマサラタウンって言う所なんだ。知らないか?」
「知らない」
即答した女の子に苦笑いを送り俺はゆっくりと腰を上げ手を差し出すと女の子はきょとんとした顔でこちらをみた。
「俺はキア、お前は?」
「…カナデ、」
「よろしくな、カナデ!」
そう言うとまた手を差し出す。それに気付いたカナデはおずおずと手を差し出し握手した。カナデがどんな状況でマサラにやってきたのかはわからないが取りあえず何も持ってない言わば丸腰となるとこんな所に置いてなんかいけない。
「カナデ、良いもんやるよ」
「……?」
カナデは頭にはてなマークを浮かべながら此方を見て来るのに俺は最近育てやさんで貰った俺のポケモン達との卵を差し出す。案の定吃驚しているカナデに笑いがこみ上げた
「…なにこれ、でかい」「普通だろ?ほら、これやる」
まだ驚いた顔をしているカナデの腕の中に卵を押し付け俺はモンスターボールを片手に持った。
「…ど、どうするの?これ」
「大事に持ってりゃ産まれるよ!まあ、まずはあの向こうの建物に行ってオーキド博士って言う人に会えばいい」
「オーキド、博士?」
やっぱりオーキド博士すらも知らないかと苦笑いしつつモンスターボールを放り投げると中から龍歌が出てきてそれにまた驚くカナデに説明しながら龍歌の背に乗る
「こいつはボーマンダの龍歌だ」
「ボーマン、ダ…?もしかして飛ぶの?」
「ああ!」
バサリ、そう龍歌が羽を一動かしをすると宙に浮く。カナデは卵をぎゅっと抱き締め此方を見ているのを見て俺は口を開いた
「卵、絶対産ませろよ!」
「………うん」
それだけ言うと俺は龍歌に飛び立つよう命令した。
仄かに光る明かりを辿って