これは私が主催したWT夢アンソロ「未完成な僕らとあの夜のこと」で提出しようかなぁと思ったけど、やっぱり没にしたお話です。提出作品はもうちょっと雰囲気違います。没にした理由は、テーマであった「セッから始まる恋」にイメージしてた、ピュア感がないなと思ったからです。
　このお話の忍田さんサイドを書くか書かないかは未定ですが、以下お話の蛇足部分。
　忍田さんは沢村さんのことが好きでした。と同時に確かに夢主が向けてきていた感情にも気づいていました。向けられる感情は微かに滲む程度で仕事に支障をきたすこともなく、迷惑なこともなく、彼女が気持ちを抑えて自分と沢村のことを応援していると理解もしていた。申し訳なさと健気さに惹かれる狭間。
　「沢村響子の結婚」で失恋し傷心。ともに行き場のない状況に投げ出されたはずの夢主が別の方向へ頑張っていることだけは見てとれていた。次第に視線がそちらへ向き始めるが、それは自分の中にあった沢村への気持ちを見て見ぬふりするもので、手近で癒そうとする浅ましさだと否定する。
　失恋からも目を背け、夢主への気持ちも否定したまま迎えた結婚式。何をそんなに頑張っていたのかと思えば、……とかなんとかかんとかあったりなかったりそんな心情の変化があったんですが、二人の気持ちの答え合わせはこの次のお話で、って感じの終わりです。