短編 | ナノ
守衛と火神



『かーがーみーくーん』
「うぎぁあああああ!ででででたああああぁあ!!!」
『………』

火神は背後から声がしたとほぼ同時に全力で体育館から逃げた



「黒子ぉぉおおおお!!」
「どうしたんですか火神くん。苦しいから抱きつかないでください」
「ああああ待て!待ってくれ黒子ー」

自分にぴったりくっついて離れない火神を、黒子はぐいぐい剥がそうとする


『かーがーみーくーん』


「「!」」

2人の体は強ばった

「…聞こえましたか火神君」
「く、黒子も聞いたか!?」
「はい。はっきりと。体育館からでしょうか」

黒子は貼りつく火神を連れたまま体育館に向かった

「黒子!オマエ何するきだ!!」
「もちろん声の正体を暴くんですよ」
「止めろ黒子!日本のお化けは目を合わせると魂抜き取られるんだろ!?」
「その間違ったジャパニーズ知識はいりません」

そんなわけないじゃないですか。と平然と黒子は扉に手をかけた

「ちょっと待った」
「何ですか?」

さあ開けるぞと言うところで火神に腕を捕まれた黒子は不機嫌になる

「何がいるかわからないだろ」
「分からないから確かめるんでしょう」
「だがお化け…」
「火神君、日本のお化けはだいたいは無害です。それに、これはお化けじゃないですよ」
「え?」

黒子は一気にドアを開け放った

「あんまりうちの火神君を虐めてあげないでください。守衛さん」
『あはっ火神君可愛いからつい…』

体育館には懐中電灯を持った守衛がいた

「守衛さんんんん」
『おっと、火神君どうしたんだい?』

守衛の姿を確認した火神は、黒子から離れて守衛に飛び付いた

「早くお化けを捕まえてくれ…ださい!」
『「え?」』


そのあと暫らく、火神は守衛の胸で泣いたとか泣かないとか



ジャパニーズゴースト


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