10万打企画 | ナノ
無邪気な天然は罪作り


"お前知ってるか?"
"なにを"
"あの名字名前って、桃井の彼氏らしいぜ"
"マジで?オレ狙ってたのに"
"しかも青峰ってやつとゲイだって噂"
"なにそれキモっ!さつきちゃんかわいそー"




『…………』
「…………」

教室のちょうど対角線にある机から聞こえてくる根も葉もない噂話。
それをBGMにしてオレと大輝は弁当を黙々と食べていた。


『大輝って男好きなんだな』

「お前こそ、いつの間にリア充になったんだよ」

『ないない』


女子の名前なんてバスケ部のマネージャー達ぐらいしか知らないのに彼女なんてできる分けない。


「じゃあどっから来たってんだよあの噂話」

『んなの決まってんだろ』


オレにまとわりつく女はひとりしかいない



「名前くーん!お弁当食べよー」



ほら来た


『自分のクラスで食えよ』


そして世間の目というものを考えろ


「皆再テスト受けに行っちゃったんだもーん」

「だからってこっちに来る必要もねぇだろ。あと名前から離れろ」


オレにのしかかっていたさつきを、大輝は引き剥がしてくれた。


「いいじゃん食べよーよ」

『……もう勝手にすれば』

「やった」


さつきはパッと笑って近くのイスを引き寄せて座った。
少なくとも、3人一緒に居れば付き合ってるだのゲイだの言われずに済むだろう。


「あ、お箸忘れた」

「バカ」

「貸してよ青峰君」

「パンだったから無い」

「えーじゃあ名前君」

『オレ?良いけどちょっと待って食べちゃうから』


あとご飯二口分ぐらいで終わる。


「そういえば名前君」

『ん?』

「ゲイってなに?」

『ぶふぉっ』


あんまり直球に聞いてくるもんだから、思わず口からお米が飛び出した。


「いいからオマエは黙っとけ」




無邪気な天然は罪作り
(さつき曰く、)
(仲良い男子=ゲイ)


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