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キスしたかったら


私と涼太は付き合ってる。
高校で出会って、彼の告白を受けたのがきっかけ。あれからもう5年になる。

でも、私たちは未だキスすらしたことない。なぜなら彼からのお誘いを私が拒み続けてるから

「ねえ、なんでキスしてくれないんスか?」

「だってあなたが"黄瀬くん"だもの」

「それはどういう…」

涼太は眉根を寄せて訪ねてくる。
私がはっきり言わないから、イライラしてるんだ

「"黄瀬くん"は皆のアイドルでしょう?」

あなたの所属事務所はどっかのアイドル事務所と違って恋愛禁止令は出してないけど、暗黙の了解ってのはあるらしいじゃない

同棲してはいけないとかあからさまなペアアクセは御法度とか…キスは言わずもがなだ

「キスなんて…ばれっこないでしょ」

「ふふ、確かにそうかもしれないけれど」

気持ちの問題よ

「だって貴方は"皆の黄瀬くん"だもの」

きれいな洋服で着飾って雑誌の紙面を飾る貴方、どこへ言ってもカメラのフラッシュが止まない貴方。
たくさんの人に愛されて、私の愛なんてちっぽけなもの

「嫉妬っスか?」

「そう。私だけの涼太になってくれなきゃ嫌なのよ」

ちょっと我が儘すぎかしらね





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