5万打記念 | ナノ
こんなの不条理だ


「<##NAME4##>将棋をやろうか」

王将と歩の駒をじゃらじゃらと手の中で転がしながら赤司は言った。

「掛け将棋だよ」

さあ座りな、と部室の一角に設置された赤司専用将棋スペースに誘われる。
今日もか…私は思わずため息をついた。昨日もやったし一昨日ももちろん。
でも一度も勝ったことなんてないし勝負はいつも10分とかからない

こんな私とやっててホントに楽しいのだろうか

「どうせ負けるのはアタシでしょ」

「やってみないと分からないよ」

こうして、またパチパチと将棋を打つ

今回は何をお願いされるのか。
目薬はこないだ買ってきたばかりだし冷却スプレーはまだストックがある。
だとしたら……

「合宿に使うしおりの帳合…とか?」

あれ、1人でやるには量が多すぎるし心細いんだよね

「さあ、それはどうだろうね」

赤司はパチンと角を斜めに3つ動かしてにやりと笑った

「ほら王手」

「え、あ!ちょっとまって!」

いつの間にか私の王将が身動きできなくなっていた。

「"待った"なしだって」

「う〜」

負けました。
私の頭じゃどう頑張っても勝てそうにありません

「じゃあ僕のお願い聞いてくれるよね」

赤司がすごい笑ってる。
絶対これはろくでもないこと考えてる気がする…と言うか絶対考えてるに決まってる


「結婚しようか」


はあ?なんだそれは
それがお願いか?え?
結婚しようって何それ美味しいの私たちまだ高校生だよ何言ってんの赤司君

「今すぐとは誰も言ってないよ?」

「いやそういう事じゃなくて…」





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