砂糖水に溶かしたら | ナノ

いつの間にか三人分




『ねえこの問題なんだけど…』

「ああ、それであっている」

『よっしゃ』


緑間の部屋で勉強を始めてはや一時間。自力で解けた問題3問


『オレ結構頑張ったほうだと思うんだよね』

「いつもそういうが、オレよりいい点とったことないな」

『う……』


いやだって、オレとお前とじゃできが違うし。


「ほらお前は文句を言ってる暇などないだろ。このままでは数学だけ赤点だ」

『だって憶えらんない』

「教科書に書いてある公式に当てはめればいいだけだろう」


ほらこれをこうしてああして……と緑間は手際よくノートに解き方を書いてくれる。


『ほー、確かに授業でやったわ』


これを使うんだよと言われるとできるのに、自分ではどの公式を使えばいいのかわからない。
だからオレは応用問題なるものがサッパリできない


『あー』


声を張り上げて叫んで四肢を床に投げ出した。
もうムリ休憩しよう


「どうした悠人もうリタイアか」

『うんちょっと休憩。飲み物欲しい』

「ならそろそろ母さんが持ってきてくれるはずなのだよ」


すると緑間の言ったとおり、コップの擦れる音と階段の軋む音が聞こえてきた。


『やったー』

「ちょっ、急に起きるな悠人。机が揺れる」

『ごめーん』


怒られてしまった。




「はーいジュースとお茶菓子持ってきたよー」

『ナイスタイミング清美さーん!』


緑間のお母さん、清美さんがオレンジジュースとバームクーヘンを持ってきてくれた

……………三人分



「まったく悠人は…」


バームクーヘンにがっつくオレを見て緑間がため息をつく


「仕方ない。オレたちも休憩するぞ高尾」

「………」

「おい高尾!!」

「………んあ?なんか言った?」


緑間に肩を揺すられてやっと反応を示した高尾君。
ヘッドフォンしながら勉強するならわざわざうち来る必要ないんじゃないか


「休憩いれるぞ」

「マジ?……あ、オレンジジュースじゃんラッキー」


そう言って、高尾君はすばやい動きでオレンジジュースに手を出すとあっという間に飲み干した。


「まったくお前たちは…」


また緑間が長く長ーく息を肺が空っぽになるばで吐き出した。


『なんだよ』


高尾と一緒にすんなよ


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