砂糖水に溶かしたら | ナノ

耳鳴りがする





「ねぇ君、自販機のとこで会った人でしょ?緑間と知り合いだったんだな」

『ああ、うん…まあな』


緑間は前を歩き、オレと高尾くんはその後ろを歩いた。
緑間め、なにが「自己紹介したらどうだ」だ。
余計なお世話だし、別に高尾くんと友達になろうなんて思ってない。

過保護な親父かっつーんだよ


「名前は?オレは高尾和成、よろしく」

『真白悠人…』


よろしく、とは言えなかった。


「悠人君はさ、緑間といつから知り合い?」

『え?あー…幼稚園?』


家なんて三軒隣だし。


「ホント!?じゃあ緑間のこと何でも知ってるんだな!いろいろ聞いてもいいか?」

『なんでそんなに気になるの?』

「だって、オレは緑間の相棒だからな!」

『……相棒』


ドンと胸を叩く高尾君。
胸の奥がなんだかチクチクする


「変なことを言うな高尾。オレにパートナーなど必要ない」

「そんなつれないこと言うなよ緑間ぁ」


緑間は無視してすたすたと歩いていってしまう。
なんだかホッとする自分がいた


「なぁ悠人君、アイツっていつからスリーばっかりやってたの?中学とかかな」


緑間との会話を諦めた高尾くんは話を戻してオレに質問をぶつける。


「あと、謎の"げんかつぎ"。ホントあれ何
『知らない』
………へ?」


『オレ、バスケに興味ないから』


本人に直接聞けばいいだろ。
オレはお前なんかに教えたくない
と、心の中で言った。


『ごめんね。自力で聞いて』

「そう……」


高尾くんも、まさかこんな返答が来るなんて思ってなかったんだろう。
目をきょとんとさせている


「じゃあ部活中の緑間の事を教えてやるよ!」

『あ、ああ…』


なにこのポジティブ。


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