狂詩曲 | ナノ
壊せない関係




「青峰君、瑞樹君、帰ろう!」


ホームルームが終わると、隣のクラスからさつきがやってきた。
ナイスバディーなさつきは入学当初から下心丸出しの男子共の注目の的。
その都度、オレと大輝が追っ払っていた。


『帰ろうって…おまえら部活は?』

「今日は部休だ」

「ちなみに明日が部活結成会なの」

『へー……』


部活に入る気がないオレには、あまり関係がない話なので軽く流す。


「あ、オレ便所」

『いってら』


大輝が教室から出ていき、オレとさつきだけになってしまった


『さて、オレらも帰…』

「まだ帰っちゃだーめ」

『えー どうせ靴はいてるうちに戻ってくるって』


しかしさつきは頑として譲らなかった。


『わかった。待ってるよ…』


オレが諦めて机の上に腰掛けると、とたんさつきの顔は笑顔に包まれた。


『そんなにうれしーもん?3人で帰るのって』


毎日一緒にいるのに


「だって部活が始まったら瑞樹君と帰れないでしょ?」

『あー…なるほど』


オレ、俗に言う帰宅部だから。


『その事なんだけどさ、さつき』

「ん?」

『バスケ部って練習終わんの何時?』

「7時過ぎぐらい、だけど」


なんで?と頭を傾げるさつき


『オレさ、バイトしようと思ってるんだ。だからそのバイトの終わる時間をバスケ部の終了時間と合わせれば…』

「一緒に帰れるってわけね!」


ついでに金も貯まるし時間も無駄にしてないから、一石二鳥どころか一石三鳥くらいになってる。


「やったぁ!瑞樹君、ちゃんと考えてくれてたんだね!うれしー」

『うわっ、ちょっ…危ない!』


さつきが抱きついて…いやいや飛びついて来た。
反動で机に座ってたオレは後ろに倒れそうになる。


「たでーま…何してんのオマエら」


やーらしー。と大輝がジト目で見てくる。


『なんにもシてねーよ』



なにも、変わんねーよ

オレがバスケ部を辞めたぐれーじゃ










ガキの頃からなんにも変わってない



オレ達の関係





壊せない関係

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