狂詩曲 | ナノ
導かれたのは悪魔の前





「ねえ瑞樹君、バスケやってかない?」

『はあ?』


夏休み。
今日は午前中だけで終わるから迎えに来てと言われて12時に体育館まで来た

そしたら突然これだ。
体育館の扉を開けるなり、ボールが飛んでくる。


『やんねーよ』


だいたいバッシュないし


「バッシュならアタシが持ってるよ!」

『おまっ、なんでそれ持ってんだよ!?』

「昨日青峰君と瑞樹君がストバスにいってる間に拝借してきた」


グッと親指立ててドヤ顔するさつき。
なぜコイツはこんなにも行動的なんだろうか


「アタシが言い出しっぺじゃないのよ」

「ワシや」

『今吉さん…』


含み笑いが得意な糸目の主将今吉翔一。
オレはこの人が嫌いだった


「練習相手になってもらお思ってな」

『やんないっすよ』


んなのは大輝にでも頼んでください


「青峰はなかなか捕まらんのや」


だから。と今吉さんは言う


『オレなんかとやっても相手にならないっすけど』

「桃井から聞いてるで?あんた、帝光で一軍やったんやろ」

『………』


キッと睨むとさつきはショボンとなって目を反らした。
悪いと思ったならなぜ言った。


『はあ…仕方ないですね』


5分だけですよ


「ほんなら、始めよか」


桃井は帰っててええよ。と、今吉さんはさつきをやんわり体育館から退場させた


「そうですか…じゃあ先帰ってるね、瑞樹君」


さつきも、どこか不安気だった。


『…なにか企んでません?』


さつきが体育館を去り、その影が完全に見えなくなってから今吉さんに聞く


「いや、別に?」


口角をあげにんまり笑う今吉さん。


『絶対なんかあるだろ』


だって目が全っ然笑ってない




導かれたのは悪魔の前

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