オセロゲーム Part3 | ナノ
自分にできる事を (2/4)





だしを取る、下ごしらえ、隠し味
それらの行程はカントクにやらせてはいけない作業ワースト一位(コガ先輩調べ)。だってカントク、チャレンジ精神が旺盛過ぎる。
試食会の時はバターとマヨネーズを混ぜるなと全力でハリセンで殴り飛ばしたくなったものだ。
その過程を経て今日に至るのである。非常に心配



『…オレよりカントクの方が上手そうなので、切るのお願いします』

「あらそう?ならよろしくね!」


褒められたこと、万更でもなかったようだ。カントクは鼻歌混じりにキャベツを掴んでまな板に乗せた。


『表の葉は何枚か捨ててください。そんで軽い洗ってください』


芋虫さんも一緒千切りにしちゃったらどうする気ですか


「あ……」


行き先が不安になった。








『さて、』

カントクも無事キャベツの千切りに取り掛かれたようなので自分の作業に入る。


『初めはお湯か』


卵とニンジンとジャガイモを茹でなければ。そして茹ったらジャガイモは弱火で焦げないように転がして水分を抜く。
あとは混ぜるだけなのでそろそろ味噌汁も作り始めよう。



『カントクーサラダはどんな感じで………』


カントクの手元を見て、言葉を失った。


「こっちも良い感じよ」


ドヤ顔するのは多いに結構ですが、手元にあるのは果たして千切りキャベツ?
すっげーざっくり切られてて全然細かくない。


『………わかりました。それは野菜炒めにしましょう』

「でも添え物のキャベツ…」

『野菜がキャベツだけで肉類が無いってのもバランスが悪いなと思ってたところです。ちょっとピーマンとモヤシがあるのでもう一品作ってもいいじゃないですか』

「なるほど」

『はい』


上手く誤魔化してはいるけど、単に副菜としてボリュームが足りないから炒めちゃおうって話。


『じゃあピーマンとモヤシと一緒に炒めちゃってください』


結局、オレが味噌汁を片手間にキャベツも担当する事になった。オレだって苦手なのに


「目玉焼きも作るわね」

『ええお願いします』


くれぐれも面白い料理はしないでいただきたい。


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