自分にできる事を (3/4)
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早起きして朝飯作りにいそしんでいたは良いけれど、よく考えれば歯磨きがまだだった。
オレは飯食ってから歯磨きする派だから気にしてなかったのにカントクがうるさい。彼女を台所にひとりにすると何やらかすか心配でたまんないがカントク命令だから仕方ない。
「うおお毎度わざとかテメェ」
「おはようございます」
「あと寝グセヒデェ!!」
給水場に行くと火神君とテツヤの声が聞こえた。朝から元気だこと。
『何してんだオマエら』
「あ、直也君おはようございます」
「どこ行ってたんだよ藤井」
『朝メシ作りに行ってたんだよ』
あの人1人で作らせたら大変なことになるのは目に見えてるだろうが。
そう付け足すと火神君は納得した
「オイ荷物こっちー!」
「へーいっ」
バタバタと朝っぱらから騒がしい人の往来の音がする。
後ろの廊下に人の気配がして、オレ等は振り向いた
『うわっ』
そこにいたのは荷物を持ったと真太郎と高尾君だった。他にも沢山の声がするからおそらく秀徳のバスケ部がここに来てるのだろう
「って、アレ?」
「どうも」
『おはよう…』
真太郎と高尾君もこっちの存在に気づいたようで、目が合うとピタリと足を止めた。
「なぜここにいるのだよっっ!?」
「こっちのセリフだよ!!」
『まさかわざと被せてきたとかないよね』
「秀徳は昔からここで一軍の調整合宿すんのが伝統なんだとー。ひさしぶりー」
「お久しぶりです」
あって早々いがみ合うデカいの2人は放って置いて。
オレとテツヤと高尾君はゆったりペースで会話をしていた。
「それがお前らはバカンスとはいい身分なのだよ…!!その日焼けはなんだ!」
「バカンスじゃねーよッ!!」
『合宿してるよ!』
海にも入ってないしバーベキューなんてする気配ないし怖い話だってまだなんだからこれをバカンスと言ってもらっては困る。
『っつーか合宿場所被るなんてね』
やっぱ安さだけで選んじゃだめだね
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