オセロゲーム Part2 | ナノ
桃色の本気 (1/2)




「桃っちスか……そーいや青峰っちと幼なじみだったっスね……って、ん?」


さつきを見ていた黄瀬は何かに気付いたようだ。


「あの子たしか黒子っちのこと好きじゃなかったスか?むしろ本気なんて出せねーんじゃ……」

『ええぇ───!?』

「そうだったのか?」

「はあ!?気づいてなかったんスか!?バレバレっつーかむしろ毎日アタックしまくりだったじゃないスか!!…あれ見て気づかないとか……サルスか!!!」

『む…』


真太郎と一緒になんだかスゴいバカにされた。
仕方ないじゃないか。
オレは皆がまだあんまり仲良くなかった時にちょこっと一軍にいた程度だからそこまで彼らの人間関係に詳しいわけじゃないし、さつきもテツヤも同じクラスではなかった


「なにィ!!サルとはなんなのだよ!!」

『そうだよ!緑間はともかくなんでオレまで猿になんだよ!』


心外にも程がある!
と言ったら真太郎に頭を叩かれた。
なぜだ


「まあいい……だったら尚更なのだよ。黒子が試合で手を抜かれることを望むはずがないのだよ。そもそも形は違えど、あいつのバスケに対する姿勢は選手と遜色ない。試合でわざと負けるようなそんなタマではないだろう」

『ふーん…』


なにその言い草。
さつきは超料理下手なのにマネージャー業だけは無駄によくできるナイスバディの女子だと思ってんだけど、あの子にできるのってそれだけじゃないの?


「まあ見ていればわかるのだよ」

『そう』


オレの知ってるさつきは、先輩マネージャーの後ろを洗濯物抱えて必死について回る姿しか思い出にない






 ────バチッ



伊月先輩がスティールでボールを奪うと、火神にやった


『む?』


急に深く守りだした桐皇。
痺れを切らした火神はその場からゴールに向かってボールを放った。


「3P!?いや……」

「あれは……一人アリウープ!!」


桐皇戦では初めて使う。
というか公式戦ではほんの数回しか見せていない
まず、対応できまい


『これなら…』


だがオレの考えは甘かった。
ゴールに向かおうとした火神を桐皇の7番が阻んだ。

しかもそれだけでなく、リバウンドに備えていた伊月先輩や水戸部先輩まで押さえられてしまった


『研究…されてる……』


おそらくさつきに。


「正解っス……桃井っちは情報収集のスペシャリスト」

「いわば諜報部員なのだよ」


しかもあの余裕なさつきの表情。
彼女にはまだ何かある


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