オセロゲーム Part2 | ナノ
街で出会った (1/2)




『えーっと、』


サロンパスにテーピング、絆創膏と粉末ポカリ……それにサプリメントが複数あって、


『うわっ、多いなー』


カントクに頼まれた買い出しの量が予想以上に多かった。






「藤井…」





『んー?』


メモに目を通しながら歩いていると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。オレはいったん立ち止まってゆっくり振り返る


『真太郎!』

「久しぶりだな」


彼は制服を着ていて、不撓不屈とロゴの入ったバックを肩から下げていた。


『ほんと久しぶりだな。オマエ、部活帰り?』

「練習試合だったのだよ」

『なるほど』


だから、3時っていう中途半端な時間に街中歩いているのか


「藤井こそどうしたのだ?確かここは誠凜から二駅あったはず」

『ああ、うん。カントクに買い出し頼まれて…こっちのほうが品揃えいいからさ』

「そうか」


ドラッグストアへ歩みを進めると、真太郎はオレの隣に立って歩いた


『真ちゃんはどこ行くの?』

「その呼び方止めるのだよ」

『いいじゃん二人っきりなんだから。で、どこ行くの?』

「オレも、テーピングを買いにドラッグストアに」


あそこは品揃えがいいからな。と真太郎も言った。


『じゃあ一緒に行こうか』


昔よく歩いたこの道を、オレらは再び進んでる。




「ところで藤井、よくバスケ部に入ろうと思ったな。理由を聞いてもいいか?」

『別に難しいことじゃないよ』


火神が「キセキの世代」を倒すんだって全校生徒の前で宣言したあの時、オレは思ったんだ


『日本一なったら認められるのかな。って』

「誰に?」

『もちろん征十郎に』


オレのバスケは間違ってないって事を証明してみせたいんだ


「……ならば何故、本気で挑んでこないのだよ」


黄瀬の時も、正邦も秀徳も。


『あれでも頑張ってるって』


皆が言うほど、オレって巧くないんだよ。二年間のブランクもあるし。


「そうかもしれないが、昔はもっと速かったのだよ」

『あの"青色"みたいに…か?』


信太郎は何も言わなかった。つまりこれは肯定と取るべきか。


『それにね、何事にも引き際が肝心だからさ』


でないとオレみたいな小型はダブルチーム組まれたらあっという間に使い物にならなくなる。ちょっと目立ってちょっとミスるくらいが相手にマークされないからいい。


『信太郎はオレの事過大評価し過ぎなんだって』

「…オレからすれば、なぜお前が自分を過小評価するかがわからないのだよ。」

『ははっ!征十郎にもそう言われて、それで喧嘩になったよ』


ま、見解の相違ってやつだね。
そんな話をグダグダとしていたら、目的の店まで着いた。


『さ、中に入ろうか』


オススメのテーピングが有るんだ


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