オセロゲーム Part2 | ナノ
おあずけ (1/3)





「直也ー」

『また来たな、お邪魔虫』

「お邪魔虫!?」


今日も柏木はやってくる。
それはもう元気溌剌な蔓延の笑みで


『オマエはいつでも元気だよな』


そのテンションを少しテツヤに分けてやりたいよ。


「ふふ…そーいう直也は成長痛らしいじゃないか!」

『なっ!』


どこで手に入れたんだその情報は。


「直也の事ならなんでも知ってるぜー」

『ウソだろ』

「ホントだよー、信じてないな直也」

『当たり前だろ』


確かに柏木はオレの好きなものとか体調とかバスケ部の予定とかやたら詳しいけど。


「だがしかし直也!これを見たあとも同じ事を言えるかな!?」


ジャジャーンと柏木が机の上にだしたのは、不三家の期間限定焼きプリンだった


『そ…それは』


オレがめちゃくちゃ食べたかったやつ!


「決勝リーグ出場祝いだ!」

『マジで!?これ…オレが食っていいの?』

「もちろん」

『柏木ーやっぱオマエ良い奴だぁ〜』


キモいとかウザイとか言ってごめんよ!

オレは早速プラスチックスプーンを受け取って、プリンに差した


『それではいっただきまー
「藤井くーん。なーにやってんのかなー?」

……これはお三方。今日は絶好のプリン日和ですね』


まさかと思って振り返れば福田、河原、降旗の3人が仁王立ちしていた


「なに呑気にプリン食ってんだ」

「カントクからのメールは呼んだよな?」

「サボりは許さんぞ」


三人共、オレの知ってる温和な3人じゃなかった。
鬼だ。


『ははは、まっさかー。忘れるわけないじゃないかー』


でも先にプリンをだな…


「なら今すぐ行くぞ」

『いやだからね福田君、先にプリン…』

「ちんたら食う時間あるか!」

『ひえっ!?』


河原君に襟を掴まれ強制連行。
手からスプーンがこぼれ落ちてカランと音がなる。




『オレのプリンー!!』




っつーか、以前にも同じ事やった気がするぞ!?



「いってらー」



柏木は新しいスプーンを取り出してプリンをつっついてた。


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