オセロゲーム Part2 | ナノ
死線を越える (1/4)





ナイフとフォークとスプーンと箸。あとお好みで水と爪楊枝を用意した。コレだけあればどんな料理がきても(多分)大丈夫だろう




「ではカントク、そろそろ…いいな?」


休日の家庭科室を貸し切って、合宿メニュー試食会が始まった。


「まかせて!」


調理台の前にはくまのエプロンを着たカントクが様々な食材に囲まれながら、料理を始めた





「……試食会?ですか」

「ただの名目だ。「マズいから練習しろ」なんていきなり言えねーだろ。食べてからアドバイスして上手くなってもらう!」

『成る程筋は通ってる』


それなら、カントクに悟られずに真の目的を遂行する事ができそうだ。


「ちなみに先輩達料理できるんですか?」

「そこそこ」

「だいたいなんでもー」

「できん!!」

「一番はたぶん水戸部かな」

「黒子は?」

「ゆで玉子なら負けません」

「藤井は?」

『お菓子なら大概イケます』


ちなみに最近覚えたのはチーズケーキの作り方。


「何ヒソヒソ話してるの?できたわよ!一品目は…カレーよ!!」


カントクの声を合図に、皆身を引き締めた。それにつられてオレの手もスプーンをきつく握る

『さあカレー…』

一品から主食出してくるので腹が持つかなーとか思ったのはないしょ。





  ゴト……





「「「『なんで!!?』」」」


カレーだから期待はしてたのに、まさか野菜がそのまま入ってるなんて!
しかもカレーには入れなさそうな具材までゴロゴロ入ってるし。


「いや……え?まるごと!?さっきのトントントンはなんだったの!?」

「え?あ、ちょっと食べにくかった?」

『しかも無自覚!?』


この人恐ろしい。
と、地獄の練習メニューを課された時以上に強く思った


「てゆうかなんでカレー?…カレーだよね?これ」

「定番でしょ?」


当然でしょ?見たいな顔して言わないでほしい。カレーは定番だけど、目の前にあるのがカレーなのかと聞かれれば多分と答えるしかない


「まあ見た目はともかく味は大丈夫よ!ただのカレーだし!」

「じゃあ……」

「「「いただきまーす……」」」


恐る恐る、遠慮がちにすくったカレーを口に持っていく。
皆で食べれば怖くない


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