オセロゲーム Part2 | ナノ
本当の始まり (1/3)





『ちわーっす』


大会が終わった翌々日。
いつも通りの部活が始まった


「っはぁ─────…」


それはそれで大きくて長いため息を、小金井先輩は吐き出していた


「どうしたコガ。てかでかいよタメ息」

「……これがつかずにいられるか。いいか、オレの嫌いなものが三つある」


小金井先輩はキリリとした表情で人差し指をピシッと差して言った


「鳩とアボカド、あと今からの練習。試合に負けた後の練習ほど最悪なもんないよね……」

「言うな、下がるテンション」


ふう、と小金井先輩はため息をまたついて部室を後にした。目が死んでたようなそうでないような


『…あれは触れてはいけない禁止事項ですよね』


ほら、寒いって言うから寒く感じるんだよ。みたいなね


「いや、その前にひとつ突っ込んでいいか直也」

『はいはいなんでしょ主将』


鼻歌混じりで着替え中のオレに、話しかけてきた


「おまえ立ち直りはえぇな」

『まあ、オレ執着とかあんまり無いんで』


こだわるとしたらバスケスタイルくらいだし。


「オマエが気にしてないなら、オレらも普通に接してやるけどよ、その…」

『?』


何か、主将がもじもじそわそわしてる


「悩み事あったら隠すなよって、日向は言いたいんだって」

『伊月先輩』

「あっ、バッ!伊月!!」


今度は主将の顔がどんどん赤くなる。そうか図星か



『優しいっすね皆さん。でもオレのコトなんかほっといていいですから』


勝手に悩んでいつの間にか解決してるのが、オレなんだ。


『ささっ、練習行きましょー』

「お、おお…」


先輩方の背中をぐいぐい押して部室の外にだした


「てか泉真館戦、速攻のミス多くなかった?」

「多いっつーか2つ…かな」

「あーヤベーよー、スリーメンとか増えるよ絶対。1.5…いや2倍か!?」

『さっき鼻歌歌ってるの見たんで3倍もあり得なくは…』


嫌な予感しか、思いつかない。
これは思い切って聞いてしまったほうが…




「3倍、逝っとく?」




清々しい笑みとともに親指をグッと立て、呪いの言葉を吐いた。
しかも漢字違うし。
なんだよ、逝っとく?って


「3……3倍!?ちょっマジで!?いやあの…試合終わったばっかなのに……」

「え……4?」

「「「「やります!!」」」」



部員の心がひとつになった瞬間である


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