本当の始まり (2/3)
「ホラ、やるぞ練習!!落ち込んでても何も始まんねーだろ!」
「「「「ウィス!!」」」」
「集合……って、黒子は……?サボリか!?」
「サボッてません」
「おおっよし!!」
辺りを探す主将。
テツヤは主将の直ぐ前にいたのですぐ見つかった。
「てか久しぶりだなこのカンジ!!」
『そうですね』
まあ、見つかったというか視界に入ったというか…
とにかく、影の薄さは健在だった
「ッオ──エイ」
「オウ」
「エイ」
掛け声を上げながら、基礎練中心に練習を進めていく。
流石3倍。辛いなんてもんじゃない
「おーし、5対5やんぞー」
基礎が終わってくったくたになった頃、少しの休憩を挟んだのち実戦練習に入った
「藤井に一泡吹かせるつもりだから」
『オレだって伊月先輩のパス、通させませんから』
売り言葉に買い言葉。
ああ、なんかヤル気出てきたかもしれない…かもしれない
***
────バッ!!
「あ─────」
テツヤのパスが真っ直ぐ通った。
さっき小金井先輩らが止めてやるぜ的なこと言ってたが、意外とあっさりしてたな
「直也!」
『!───河原ァ』
「えっ、あっ…ああ!」
『ったくバカ原!』
主将からきたボールを河原に送ったのだが、ぼへっとしててとり損ねた
それにしても、
『しまってねーなぁ、皆…』
決勝リーグ以前の、あのやってやるぜ!っていう雰囲気が感じられない
『(まあすぐ立ち直れるわけないか)』
どうしてもダメな時は、カントクがハリセンとかでなんとかしてくれるだろう
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